ブログ「いらけれ」

17連敗(予定)。そちらの世界はどうなりましたか?
追記:昨日の僕へ。勝ちましたよ、泣きそうです。

事前に知っていたわけではなかったのだが、ベンチ前の白い塊をあざとく見つける。このチームは、負けだすと清めの塩を盛りがちなのだ。だから、絶対にあるはずだと思って、肉眼で発見した。友人が検索してくれて、やっぱりニュースになっていた。

「マッチョ雄平のウィンナーⅡ」は、ウインナー盛りに雄平のステッカーが付いて1000円。普通のものが800円だったので、ステッカーが200円。頼むときに”マッチョ雄平”というフレーズを口に出すのが恥ずかしくて、「雄平選手の……」と注文したことをツッコまれながら、ビールとウインナーで見る野球。

ヤクルト打線はチャンスすら作ることができず、なんともピリッとしない攻撃を続けていた。一方の投手陣は、毎回のようにピンチを迎えながらも、ギリギリのところで、なんとか踏ん張っていた。そうしたなかで降り出した雨は、段々と勢いを増してきた。ビールの売り子さんが、お客さんに「雨ヤバいですよねー」というほどに。雨の予報を見ていた僕は、一応バスタオルも持っていっていたが、そんな武器では歯が立たなかった。

一旦中に入って、売店で雨具を求める。我々にポンチョを!あるいはレインコートを、と皆が雨合羽を求めている。600円のレインコートは、飛ぶように売れている。グッズ店では売り切れたから、近くのファーストフード店に「レインコートあります」と書いているので、半信半疑で「ありますか」と尋ねて、奥から取り出してもらったそれは、生地ペラペラでなんかヌルヌル、かつボタンがヨワヨワで、およそ600円とは思えない代物だった。野球を見に行く際には、事前に雨具を買っていこうというのが、僕の伝えたいティップスである。

ここからでは、よく分からない。僕はその時、雨に耐えながらも、しっかりとボールを目で追っていたが、この場所からではよく分からなかった。どうやら、テレビのスロー再生で見なければ、何が起きたか理解することの難しいプレーが展開されたようだ。審判の説明は、確かに分かりづらかった。それに対して、「おかしいだろ」、「当たってないよ」というヤジが飛んだ。
誰かを責めたいわけではないし、僕だって、似たような言葉を言ってしまったこともあるだろう。体育祭で審判を務めている先生に向かって、とか。しかし、自分たちに有利であれば、事実はどうだっていいという態度は、やっぱり良くないんじゃないかと、いつもフェイクニュース問題とかを考えている僕は思った。こういうのは良くないよなって、気づいたり学んだりするところに、野球場はならなければならないと、僕はそう考えるのだった。

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僕は、地獄にいるんだって思うことにしたから、辛いけど大丈夫だよ、16連敗だって何だって。

神宮球場のバックスクリーンの脇にはオープンハウスの広告が出ていて、それに打球を当てると東京の家が貰えることは、スワローズファンならば知っているという人も多いかもしれない。しかし、山田のあのホームランの直前に、この話をしていた人は、日本中に何人といなかっただろう。
ワンサイドで、退屈になりそうな試合だったから僕は、ホスピタリティ高く、持っている豆知識のすべてを友人に話していた。以前は、絶対に誰も当てられないであろうバックスクリーンの上部の看板だけが対象だったことや、まだ獲得した選手がいないことなど「まあ、当たらないよね」と言ったそばから、ボールは看板目がけて飛んで行った。

結果的には、数メートル手前で落ちてしまったようだったが、あまりの偶然に驚いて、そちらに気を取られてしまっていたが、その後も次々とヒット、ホームラン(村上の打ちそう感は、10代のなかで一番打ちそうだと話していた)、ヒット、ヒット!あれよあれよという間に、1点差に迫った。でも、あと一歩で勝ち越せないのが、連敗中のチームらしかった。

完全に受け身で連れてきてもらっていたので、そんなイベントがあるなんて知らなかったが、なんか、スポンサー企業による計らいで、5回が終わった後には。200発の花火が打ち上げられた。僕にとっては、今年初めての花火だ。
こうして写真に収めたのは、ほんの少しだけで、空に開いた光から目を離さずに僕は、じっと見ていたはずだった。でも、花火を見たのは確かなのに、それがどのようなものだったか、さっぱり思い出せない。記憶の花火のイメージは、今こうして写真を見たことで、この姿に上書きされ、固定された。

野球場で飲むビールは、なぜこれほどまでに美味しいのだろうか(ゴクゴク)。肴が足りなくなったので、つまめるものを探しに、二人で席を離れた。売店の並ぶ通路を歩いていたら、オールスターの投票箱がある。立ち止まって、マークシートを手に取り、塗りつぶし始めた。
パリーグで誰が活躍しているのか、知らないというほどではないが、知っていると胸を張れるほどでもない。『プロ野球ニュース』でよく見かける気がしないでもない(連敗が続いているため、半月ほど見られていないが)というイメージの選手を、なんとなくで選んでいく。セリーグは、ヤクルトの選手で全員を固めるというわけではなく、自軍を優先的に選びながらも、流石に外せないという坂本や鈴木誠也にマークを付けた。イメージで選んだり贔屓したりって、なんか、投票の本質って感じがしないだろうか。僕はした。

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2019年5月は、忘れらんねえだろうな。あなたは6月か、もっと先の地点から、過去の記録を読んでいる未来人だ。未来人のあなたならご存じの通り、試合に負け続けている東京ヤクルトスワローズは、チームワースト記録でありセリーグ記録である16連敗まで、あと1に迫っているはずだ(と書くと、それがまだ先のことだった頃に書かれたようだが、これを書いている僕は、実は5月31日の22時にいる)。

時は、5月28日にまで遡る。ファミリーマートにいた僕は、証明写真の印刷を試していた。証明写真機で撮影したデータを、スマホにダウンロードして再コピーできる「Withスマホ」というサービスを使っていたのだが、機種変更した際のデータ移行手段がなく、「困ったもんだなー」と思っていたが、検索の末、コンビニのコピー機で証明写真を印刷できると知り、アルバムに残っていた画像データを使った。
出来上がった写真が、コピー機から出てきた。大丈夫そうな仕上がりだ。これからは、コンビニプリントを使おう。しかしこれは本題ではない。待ち時間の暇つぶしであり、神宮球場で行われるヤクルト-広島戦のチケットを持っている友人は、少し遅れて来た。

仕事が忙しいという友人と、まったく忙しくしていない僕が他愛もない話をしているうちに信濃町駅に着いて、あの歩道橋を渡って少し歩くと、すでに試合の始まっていた神宮球場の方から、大きな歓声が聞こえる。ヤクルトファンでも、広島ファンでもない彼には分からなかったようだが、僕にはそれが、ヤクルトの応援でないことがすぐに分かった。球場に着くまで、試合経過を確認することはなかった。手荷物チェックを受けて中に入り、席へつながる階段を上る前に、高い場所に設置されているモニターでスコアを確認した。1-1だった。ピッチャー陣が、開始早々から試合を壊していないことに安心する。売店でカレーを買って、ベンチの上あたり、通路が前にある非常に良い席に座った。試合は、すぐに壊れていくこととなる。

あの歓声を生んだヒットのランナーを、確実に点数へとつなげていった広島は、その回と、まるでリプレイのようだった次の回の攻撃で、3点ずつを奪い、あっという間に6点差になった。満塁のピンチで出てきた久保は、初登板ながら落ち着いたピッチングを見せ、なんとか回が終わった。このことを一人喜んでいた僕は、それだけで満足していた。そして、そもそも両方の球団に興味のない彼との会話は、当然のように、いつ帰るかというものになっていた。もう少し点差が離れたら……と言った直後、目の前に大きな放物線。山田のホームランだ。

ブログ「いらけれ」

僕が歩き方を忘れないように、鳥は飛び方を忘れないし、魚は泳ぎ方を忘れないのだろうか。それならば僕が、この数日の間に、文章の書き方を忘れてしまったということもないのだろうか。

「天才ペリカン大臣」が僕の名前だ。スーパーマーケットの床をツルツルにして、お客さんを滑らせることを生業としている。秘密結社を2つ組み、CIAのスパイでもあるし、日がな一日、公園で空を見上げることを苦にしない男だ。「日経平均」という言葉だって知っている。あの、クネクネした線が何を意味しているのかは分からないけれど。

言葉は有限だから、千年後の競走馬は、とても長い名前を背負って走っているのだろうか。それとも、名前を継いだ2代目として、「(2代目)ディープインパクト」とかが、賭けの対象になっているのだろうか。場外馬券売り場では、主にそんなことを考えながら、モツ煮込みを食べたいと思っていた。金がなかったので帰った。

まんじりともせず朝の5時を迎えていた。パソコンの画面を見ていた。だいたいのことが、インターネットである現代では、ラジオの「ふつおた」だってEメールだ。朝の4時まではとくにないもしないで、ただ焦っていた。そろそろメールを送らないと、読んでもらえなくなってしまう。今から寝て、起きてメールを送ったら、締切を過ぎてしまっていそうだ。

初めて投稿したのは、1年前のことだったか。ハガキ職人には、連綿と続く伝説があって、また、投稿から構成作家になったという例も知っていたから僕が、その存在に憧れを抱くようになってから、10年以上が経過していた。ただし、決して投稿をすることはなかった。友人に対してもそうだが、こちらから何かするのが、極端に苦手だったからだ。

メールを送ったラジオ番組は、昨晩放送されていた。僕は、好きだった女の子が忘れられなくて、その子との思い出を消化するために、メールを書いた。そして、二人の思い出の曲をリクエストした。なかなか決心がつかなかったが、夕方に散歩するときに、録音した番組を再生し始めた。そわそわして、変な顔になっていた。上手く歩けなかった。小心者すぎる僕は、ラジオへの投稿に向いていないと思った。結局、メールが読まれることはなかった。

初めてのときは、いつだって初めてだったのに、人間は、どんなことにもすぐに慣れてしまう。初めての失恋の思い出が、もう痛みを伴わないように。それならば、なおさら僕は、初めてのときに思ったことを忘れないようにしようと思う。


七尾旅人「迷子犬を探して」

Ah 聴こえない でもそのまま 途切れ途切れの 悲しいレディオ