風の強い渋谷に降り立ったのが、この俺だ(デデン)。ビルに挟まれて変な形をしたコンビニの、きれいとは言えないトイレで身支度を整えて、次の企業へと向かう俺。イケてる俺、かっこいい俺。デカいビルと、立派な受付にビビる俺。弱い俺、情けない俺。結局、それらに気圧されてしまって、まったく上手くしゃべれない俺がそこにいて、なんとも僕らしい。
二日連続で池袋。今回は乗り換えじゃなくて、降りたけど。次まで時間があったので、ジュンク堂へ行く。全然知らないジャンルの棚の前に行くのが楽しい。卓球とか。演芸の棚があって、扇辰師匠とか百栄師匠のCDが置いてある。大学時代は池袋が乗り換え駅で、たまに来ていたけど、こんなのあったかなあ。あったのに、目に入っていなかったのかなあ。
靴がぱきゅぱきゅ言っている。面接に、子どもがよく履いている、あの音のなる靴を履いていったからだ、いや、そうではない。歩き続けたことにより、靴底がどうにかなってしまったらしい。すれ違う人が振り返るほどのぱきゅぱきゅ。「子どもの気持ちを忘れていない愉快なおじさん」として捉えてもらって、笑ってもらえていればいいのだが……ただただ迷惑。
329 熱量と文字数 【長濱博史のアメコミ映画特集 ~キャプテンマーベル、アクアマン、シャザム!、アベンジャーズ エンドゲーム~】
長濱監督、いや、ヒロシの語りが面白くて、本屋で本を見ないで、繰り返し聞いていた。アクアマンへのツッコミとか、サノスへのガッカリとか、アッセンブルで窒息とか、もう話術がすごい。ちなみに、次の日も歩きながら聞いたよ、みんなも聞こうぜ。
ベローチェに入る。前の会社にいた時に、よく使っていたベローチェ。サンドイッチとカフェオレで600円いかないぐらい。貧乏人に優しいベローチェ。でも本当は、それなりのものには、それなりの対価が払われるべきでしょう?社会がそうなっていないから、僕は貧乏なんじゃない?
席に座って本を読む。1920年前後までの日本人は、工場の仕事に、結構遅刻したり欠勤していたという話が面白い。当時の日本人は、良く言えばゆとりがあり、悪く言えば時間にルーズで、非効率的だからと、欧米の"勤勉な"生活習慣を導入するために、「時の記念日」制定が提唱されたという。だから、「日本人は勤勉だ」というのも、80年ほど前に無理矢理作られたもので、一種の神話なのだと、こういう話をしていこうよ、日本スゴイとか言ってないでさ……などと、考えている内にとても眠くなった。家に帰りたいが、まだ面接が待っているのだ、僕には。