ブログ「いらけれ」

あらすじ:「鳥なき里の蝙蝠」として、山梨県で行われる将棋大会に出場することになった後藤さん。前日の夜は、緊張からかなかなか眠りにつくことができず、もう朝だろうという4時にやっと意識を失った。が、7時には目を覚まして身支度、河口湖方面へと向かう車に乗り込んだのだが……

これが、車内から撮影した富士山である。

そしてこちらが、会場となった河口湖店から撮影した富士山だ。しかし、写っているものは、どうにも物足りない。やはり、この目で見たときの、あの迫力には遠く及ばない。山が、信仰の対象となってきた理由が分かる。
僕の日記は回り道をしているが、道中は真っ直ぐ向かっていったはずだった。だが、高速道路は低速道路に成り下がっていて、はっきりと渋滞の一台になっていた。車は、そろそろと"歩いていった"。余裕を見て出発していたのが功を奏して、なんとか開会前に到着することはできた。気合満点で、大会に乗り込んだ。

こういう時って、結果から聞きたくないですか?じゃあ発表すると、テレビ山梨の取材を受けました。ビックリ。着いた時から、局の名前が書かれた名札を首からぶら下げた女の人がいるなあ、とは思っていたのだが。第一回戦のくじで、小さな男の子の隣を引いた僕は、どんなもんかなあとドキドキしながら、大人気無く相手玉を詰まして泣かせるという事件を起こしてしまったものの、こういう状況での応対は得意なので、「もう一局やろう!」などと場を和ませ、結果、一緒に来ていた弟君となぜか仲良くなったりしていたのが、評価されたのだろうか。それとも、一番遠くから来ていたからだろうか。テレビの取材ってこういう風にやるんだへー、参考になるなあと思った。上手く話せるわけもなく、使われてないだろうけど、もし山梨にお住みで、僕がインタビューされているのを見たよという方は、ぜひご連絡ください。

そうして勝ち進んだ決勝で負けるのが僕らしい。しかも、一手明確な失着があって(朝のテレビの占いで、「準備したことが裏目に」って言ってたのに、相手がこの手を指したら、こうしようと手を準備して、それが銀のただ捨てになってしまった)、それは後悔しているけれど、相手の男性は間違いなく僕より強かったので、最終盤までいい勝負ができたのは良かった。あと、初めて感想戦というか、対局中に考えていた読みについて、上位者に尋ねるという経験ができたのも楽しかった。

ウン万円はするんじゃないかという牛肉と優勝は逃したものの、準優勝の栄誉と賞状と高級そうなお菓子の詰め合わせをゲットし、懐を痛めることなくお土産を手に入れることもできたわけで、満足どころか大満足である。来年も大会が開かれたら……泣いていた男の子に決勝で負けるのがフィクションで、何かしらの理由で参加できなかったりするのがリアルなんだろうな。まあ、これからの人生では使えそうにない言葉だから、「必ず忘れ物を取りに行く」って、そう言っておこう。