曝け出す

ブログ「いらけれ」

中途半端な人生に、けりを付けようと思ったら死ぬしかないので、微温的な態度を取り続けている。くだらない。
朝8時に目覚ましで起きて、青色のカーテンを開いたら快晴だ。昨日の内にパン屋で買っておいた食パンをトーストし、バターを塗る。温かいコーヒーで、少しずつ頭がハッキリしてくる。テレビを消して、そろそろと支度を始めながら、合間にスマホで株価をチェック。ドライヤーの音。ワックスのべたつき。増え続けるLINEの通知は無視して家を出た。
平日だから、この方面のバスは空いている。タイヤの丸みが車内にせり出しているために、後輪の真上の席はすこし窮屈で、学生時代の体育座りを思い出しながら、流れていく街を見ていた。
まだ少し肌寒い2月の風。それでも日差しは暖かくて、僕はぼーっとしてしまう。そういえば、近所の川沿いの木に花が付いていた。その木は、地面のすぐ上のところから枝が分かれていた。木と聞いて連想するような、あのような木だけが木の様相ではないことを、僕たちは知る必要があった。花はクリーム色で、枝一杯に咲いていた。生命感の溢れるその姿に、新しい季節を感じた。季節の変わり目は、日記の更新も楽だ。その変化を見たまま書けば、それだけで印象的だから。冬はもうすぐ終わる。「春はもうちょっと先の事でしょ? あれまもうすぐかい」GRAPEVINE「Our Song」
水面が風で揺れる度に、キラキラと輝いていて綺麗だ。その手前には緑の芝生も広がっていて、心を安らげるにはもってこいの場所だった。手に持った紙面を真剣な眼差しで見つめる人たちを尻目に、赤い座席に着いた僕は、膝の上のラップトップとにらめっこしていた、なんてクリシェを打ち込んでいた。時折、耳に飛び込んでくる轟音で顔を上げ、いくつもの水しぶきに目をやった。まだ午前中だというのに、生ビールのコップを空にした。身体の内側が熱くなった。
ゆったりとした時間の休日には続きがあり、家の近所に戻った僕は、出来たばかりの居酒屋に入った。なぜか、午後3時からオープンしているお店で、一度入ってみたいと思っていた。メニューを見ると、海鮮料理が売りみたいだったから、ホッケの開きや刺身の盛り合わせを食べた。店内には、仲のよさそうなおじさん二人の笑い声が響いていた。その時だけは不安なんて一つもなかったから、心置きなくハイボールを飲んだ。夜が出来立ての内に飲み終えて、家に帰った。軽くシャワーを浴びてから、日記を更新して床に就いた、みたいな暮らしだったらいいなと思った。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤