うらら
午後2時に缶ビールを飲んだら牢屋行き、なんて国家ではない。川沿いのコンビニは変な形だった。アナログ時計の1時15分のような敷地にその店舗は建てられていて、すぼまった左側に入口があり、すぐ目の前にレジがあって、それから右奥の方へと向かって店内が広がっている。会計している人の後ろを通って、一番奥にあるケースの前に立った。金色をした缶の大きいものと小さいものが、交互に列になっている。同じブランドのサイズ違いが、上下に並べられているのだ。
スモークチーズと銀杏も買った。牛丼一杯なら食べられそうな代金を、auのプリペイドカードで支払った。プリペイドカードといえば、この前受けた携帯電話のアンケート調査で、毎月の携帯電話の料金が3万円近いことを驚かれた。ただこれは、プリペイドカードへのチャージを「かんたん決済」していて、電話料金とまとめているからで、通販やらイベントのチケットやらを、ほとんどこれで支払っていることを考えれば、むしろそれほど使っていないと言えるだろう。
今日の午前中のアンケートでは、複数の靴下を履き比べた。正直、靴下の肌触りに違いなど感じられず、すべて黒一色でデザインも統一されていたから、目を閉じるまでもなく、どれがどれだか分からなかった。しかし、分からないと言うのも何なので、「少し柔らかい感じがします」とか「こちらの方が暖かい気がする」などと言った。もし、同じ靴下を履かせて比較させるという心理実験だったのならば、目論見通りの大成功、といったところだろう。
終わりが見えないほど先まで続いていて、川面までの距離もある広い河川敷の途中に、意を決っして腰を下ろした。それほど降りていかなかったから、座っていても、遠くまで見渡すことができる。平日昼下がりには速度のある風が吹いていて、人のいないグラウンドの土が舞っている。おつまみだけのビニール袋も、飛んで行ってしまいそうで心配だ。しかし、春の日光はとってもやさしいから、僕は笑う。後ろを通った自転車のベルが二つ鳴った。ぐっと口元に近づけたビールの香り、さらさらとした苦み。流石に500mlは多かったかな。上を向いたら、雲が素早く流れて行って、あの凧揚げを思い出した。
忘れちまった事も忘れた
SPARTA LOCALS「ウララ」
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