記録係

ブログ「いらけれ」

シュクメルリ鍋を食べたのは、「小説的思考塾」の帰りだった(このことについては、またいずれ書こうと思う)。久しぶりに暗い霊園の中を通ったら、とても怖かった。疲れていた。そして、その後も翌日も、人に会う予定がなかった。家の近所の松屋は、最近セルフサービス店舗になった。疲れていたから、持ち帰りにした。セルフサービスは、作る場所と食べる場所が隔離されているという印象だった。人々が関わり合わなくなる未来が、そこにあった。食券に書かれている数字が、モニターに表示された。出来上がった。家のなかでは、ニンニクの匂いが強く感じられた。海猫沢めろん先生もツイッターに書いていたが、チーズとチキンだった。丁寧に洗ってから、紙の容器をゴミ箱に入れた。

『僕たちだけがおもしろい』の「たったひとつの小さなルールがサッカーを壊しちゃった話」がとても面白かった。実は私は、この件について知っている数少ない(?)日本人の一人だった。真夜中に面白いウィキペディアのページを探していて、この事実に辿り着いていた。一読して「僕おもっぽい話だなあ、話してくれないかなあ」と思ったエピソードだったから、こうして語られたことが嬉しかった。ウィキペディアを読むだけでも、真夜中らしからぬ興奮を覚えるほど充分に面白かったのだが、この回を聞いて初めて知る方がより面白いと思うので、聞いてから読むことをお勧めする。

プロ野球のキャンプ中継が、その日から始まっていた。出掛けてしまったから、最後まで見ることはできなかったものの、東京ヤクルトスワローズのキャンプも、しっかり放送されていた。これは、僕にとってかなり重大な出来事だった。だったのだが、その重大さを伝える術はあるのだろうか(「わたしは怒っている」を読んでもらえれば、少しは理解していただけるかもしれない)。
スワローズの本格的なキャンプ中継は、今年から始まった。ネットも含めて、多くの球団がキャンプ中継番組を持つようになるなかで、我が愛しのスワローズは、グラウンドやブルペンに向けられた固定カメラの映像を、ユーチューブで配信するのみという、何もかもが足りない状態が続いていたわけで、つまり、それはそれは飛躍的な進歩を遂げたのである。
応援する球団の選手を見ながら、球春到来を待てる喜び。焦らされる今が、とても楽しいのだ。誰に感謝すればいいか分からないから、世界にありがとうだ。

日常の脇に座って、記録を取る。日常の記録係になる。対局者に一番近い場所で将棋を見る記録係という仕事は、将棋を学んでいく上で、とても役に立つそうだ。僕は日常の側で、日常の記録を取りながら、日常から学んでいる。何を?日常のことを。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤