日記中の日記

ブログ「いらけれ」

僕は今、自分の部屋にいるから、当然のように、部屋の隅々まで眺めることができる。そのようにして見回す部屋は、床に散らばっていた紙くずだけではなく、ほこりも髪の毛もなくなっているし、本は棚へ、お菓子はかごへと収まっている。目に付いたところから手を付けた。一つずつやれば、つまり、片付ければ片付けられるのだ。その事実を確認すると同時に、少しだけ自尊心が回復するのが分かる。もちろん、人を呼べるほど綺麗ではないのだが、幸いなことに、この部屋を訪れる友人はいない。だから、壁に掛けられた賞状は、僕だけが見る。

タイツなど、インナーウェアを買いに行く前に、サイゼリヤに行った。間違い探しをクリアした。店員さんが、僕たちが食べ終えた皿を、両手いっぱいに持って落とした。僕は、通路に背を向けていたから、音だけを聞いた。「そういうこともあるよね」と、何も聞かれていないのにつぶやいた。家族と別れて、帽子を忘れたことに気づいて戻ったら、さっきの店員さんが手渡してくれた。「すいません、ありがとうございました」を三回繰り返した。

角の花屋の閉店を伝える貼り紙には、韓国料理屋を開くという予定も書かれていた。ひどく距離のある転身に驚く。できたら行ってみようとか、思っている場合ではなかった。来年のカレンダーを買うために100円ショップに寄ったら、将棋大会でもらった賞状を飾るための額が欲しかったことを思い出して、A4サイズのものを二つ買ったのだが、本大会の賞状は一回り大きく、そんなことすら確かめない俺、ワイルドだろ。無鉄砲な自分に呆然として、もう一度家を出たのだ。しかし、大きな額縁はなかなか見つからなくて、日本中の100円ショップを訪ね歩き、帰ったときには5時を過ぎていた。昼食を済ませたのは1時だったから、4時間近く外にいた身体は、すっかり冷えていた。

100均で1500円使う俺、ワイルドだろ。旅でひもじい思いをしないためのグミと、想定よりも寒かったときのために手袋とカイロも買った。用意周到というよりも、心配性という感じだ。それから掃除機をかけて、リュックに物を詰めた。明後日には出発している。未だに信じられない。疑っていても、その時は来る。一番好きなTシャツを用意した。最後に見直したら、予約したつもりだった新幹線の席が取れてなくて、冷や汗をかいた。とりあえず、明日の日記は更新する予定だ。その次や、その次の次は僕にも分からないけれど、いつか、長い長い旅行記を連載しようと思う。長い旅行記が書けるような、そういう旅にしようと思う。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤