未来の枝

ブログ「いらけれ」

久しぶりの面子で飲みに行って、平衡感覚を失うまで痛飲したのに、その後にカラオケまで行って、やっと帰宅した午前3時に、これを書いていない。壁にかかった時計の針は、すでに12時を指してない。壁に時計がかかっていない。パソコンの右下で、「12:34」と数字が並んでいるというのは、本当だ。

日記に置いていかれている。あるいは、日記が追いかけてくる。着替えることも、水を飲むことさえできずに、ばたりと倒れ込んで、眠って、そんな夢を見た。昨日の日記だって、「10.6あったこと」にするつもりだったのに、間違えていることに気付かず更新してしまった。日々、「こんな国は嫌だ」大喜利の答えを出してくるような場所で、余裕をなくしている。

Mリーグの最新回がビデオに無い問題、番組表を上の方へ、時間を戻っていって、「前の日を見る」を押し、前日の番組表から録画を見るという手段もあるぞ。あるぞというか、今、そうやって試合を再生しながら、これを書いているんだけど。

始められるときに、始めるしかないよ。まず何よりも始める、そして、その次に続ける。後は、急坂を下る時の、前へ前へと勝手に出る足のように。

真夏日になるという予報だったが、そこまで暑くなかった。僕は、人間らしい生活について考えながら歩いていた。工事中のマンションの囲いには、第一期、第二期に売り出された部屋は完売、第三期の販売が開始したと書いてある。隣にある二階建ての駐車場は錆びている。川面を草が流れていく。上流のどこかで、除草が行われている。何かが終わって、始まって、何かが変わって、変わらない。
新しくパン屋ができたという噂で、大人二人でいっぱいになってしまうような、狭い店内を覗いた。先客がいたのでそのまま真っすぐ、踏切を渡って歩いていくと団地がある。団地は、それ自体で完結していて、また線路が通っているせいもあって、出口がない。よそ者のエイリアンとして団地を抜けて、左に大きく曲がる道の途中、とても短い階段の下に猫がいる。僕は猫に詳しくないから、のんびりと毛繕いをしているように見えた、としか書くことができない。そこで生活している猫の方が、そこでは偉い。だから僕は、少し立ち止まった。しかし、ここを通って右に行かないと遠回りなのだ、申し訳ないという気持ちを前面に出しながら、一段一段降りたけれど、猫は警戒した表情をして、立ち上がり、歩き出して、民家の門を潜り、安全圏に入った後も、こちらの様子を窺っていた。悪いことをしたと思った。良いことだけをしたいなと思った。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤