軽音楽、純文学

ブログ「いらけれ」

目的もなく歩き出して、八坂のダイエー(今は「イオンなんとかかんとか店」になっているらしい)に向かう感じになって、歩いていた並木道の先に、立ち止まって木と木の間を見つめている女性がいて、また歩き出したから見つめていたところを見てみたけれど、何もなかった。僕の方が歩くのが早くて、追い抜いたときに「何を見ていたんですか」と聞いた。

ダイエーの一階に新しくできた大きな休憩スペースに、世界一可愛い女子高生が座っている。一緒の席には、父親くらいの年齢の男性と、おじいさんが座っている。あまりにも美人だったので、その顔に見とれてしまって、こうやって見られることも日常茶飯事なのだろう、大変だなあと思うとともに、見つめてしまって申し訳ないなと思った。

二階にできたノジマは、もともと久米川駅前の西友にあったものが移転してきたものだ。そういえば移転されてしまった西友の、その跡地に何ができたのか知らないなあと思って、確かめに行くことにした。

西友の三階の半分は閉ざされている。まだ何が入るのかすら定まっていないようだった。同じ階に入っている靴屋は、元気に営業中だったが、めぼしいものはなかったので、少し歩いて東村山駅の近くの靴屋に行く。

東村山駅の近くの靴屋は東京靴流通センターというやつで、入ってみて、値札の書き方などを見て気付いたのだが、西友の中にあるのも東京靴流通センターだった。あまりに馬鹿らしかった。でも、西友にはなかった靴があって、気に入ったものがあって、それは2000円して、悩んで、2000円の靴を即決で買えない自分の経済状況が悲しくなって、逃げるように店を出た。

マンションに掲げられた、ゴミの不法投棄を注意する看板に描かれている人の、ゴミを投げるフォームが、花束を投げるバンクシーの絵の、あのフォームと少し似ていた。

施設の壁面に貼り付けられている、「東村山市民スポーツセンター」の文字に明かりが灯って、光る瞬間を目撃したんだ。誰かに伝えたいと思ったから、ツイッターに投稿した。文字が光るくらいだから、いつの間にか辺りは暗くなっていて、西の空が燃えていた。

ロックンロールで救われてるみたい 騙されたら唄うのです

『きみのせい』学園祭学園

暗い部屋で一人で、エンターテイメントに救われて、今何かを表現している人には、とても響く歌詞だ。燃えるような夕暮れを見ながらこれを聞いて、大きな川沿いの道で涙した。とりあえずこのまま走って、ナニモノカになれるような勘違いのまま、転ばないところまで行ってみようと思う。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤