私を整理する前に
薬を飲んでいても、辛いものは辛いのである(気を抜くと)。そもそも、効果が出るまでにはかなり時間がかかるらしいので、辛いのは当然なのかもしれない。薬がなんとかしてくれるまでの死にたさについては、自分でなんとかしなければならないようだ。
抑うつ状態にあるからといって、元気がないように見えるかと言えば、会えば「結構大丈夫そうじゃん」という感想を抱くに違いない。あなたは、午前3時にやっと眠れたと思ったら、目が覚めてしまう5時を知らないし、それでも無理やり横になるものの、脳が動き続けている感覚があって休まらず、それなのに、気がついたら11時になっている苦しみを知らない。
この前なんか、そんな感じで起きたり寝たりして、朝になって、仕事の時間までは3時間ぐらいあったから、もう少し寝ることにチャレンジしようと、2時間後にアラームをセットして目を閉じたら、30分ぐらい眠れた感覚があって、それでスマホを確認したら10分しか経っていないという体験を10回ぐらい繰り返して、得したのか損したのか分からなかった。
よく分からないことは他にもあって、この症状が出始めてから今まで、人生で一番と言っていいぐらい映画が見られている。本は読めないし、ラジオも聞きたくないと思うことが多いのに。これは本当に謎。『シング・ストリート』、『はじまりのうた』、『人生タクシー』、『月に囚われた男』、『ミッション:8ミニッツ』を見た。どれも面白かったし、元気なときなら語ることもあるのだろうが、今は元気ではない。
この期間に読めた本が一冊だけあって、先崎学『うつ病九段』だった。とても良い本だったので、みんなも読むといいと思う(でも、「あとがき」がほしいよね。あと、連盟大丈夫かなって思うよね)。やはり自分は、まだうつ病とは言えないのだろうと思うと同時に、「頭の中に石が入っている」というような記述にドキッとする。電車ではなく、車の前に飛び出すイメージだが、それは、日に日にリアリティを増している。眠れなくなっている。その一歩を踏み出してしまわないために、今できることをやろうと思えた。
兄のことばを借りるまでもなく、差別的な偏見はなくならない。ただし、まるごと空洞化することはできると思う。それには、皆が堂々と生きることである。まともに生きればよい。まともに生きている人間を馬鹿にする奴はまともではない。馬鹿である。p184
とにかく、うつには散歩だと書いてあったので、それも朝が良いと書いてあったので出かける。明日は、その話から始めようと思う。
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