捨象#1
今日からまた、気分を新たに日記を書き始めよう。月が変わり、このサイトのサーバーの更新月になって、やっぱり少し考えてしまった。でも、もう少し続けようと思えたから、クレジットカードで決済した(始めた時は3240円だったのに、3300円になっていた。増税の奴め!)。読む人がいなければ、やめていたかもしれない。幸いなことに、こんな日記を読んでくれている人がいるらしい。それだけが日々の頼りになっている。来年も契約更新できるように、健康的に不健康な文章を書いて、面白がってもらえたらいい。
しかし、どうしたら文章が面白くなるんでしょうねえ。分からない。何が面白いのか分かっていないから悩むのは当然で、毎日書き始める前に30分ぐらい、これは比喩ではなく本当に手で頭を抱えている。唸ったら名文が書けるのかといえば、もちろん書けない。
しかも考えた末に、それを使うとは限らない。例えば、「ギャラリー」の最後の段落は、「敵は我なり、届け雷」というLAMP EYE「証言」の歌詞の引用がしたくて、そうやって書き始めたものの、次第に書きたいことが変わっていき、あの内容になった。よくよく読むと若干脚韻を踏んでいるのは、こうした経緯があったからだ。
設定された「面白くする」というゴールはあってないようなもので、だから、神様の彫像を作っているみたいだ、と思う。見本がないのに正解を出さなければならない、という感じ。私程度でもここまで悩むのだから、表現で生きている人の苦しみは、想像を絶する。
配達人の鳴らしたチャイムで目を覚ました。Amazonが目覚ましだった。ずっと閉じていた目はぼやけていたが、それは眼鏡をかけていなかったからだ。受け取ったのはチョコと本だった。大きな段ボールの中身はすかすかで、申し訳程度にくしゃくしゃの紙が入っていて、緩衝材の役目を果たしたのか疑わしいが、特に表紙が傷付いたりはしていなかったけれど、その雑すぎる梱包に「ははーん、Amazonの人Amazon使ってないな」と思った。
その時間に起きるつもりではなかったけれど、起きて良かった。私は起きなければならなかった。ナツノカモ低温劇団本公演「月の裏側」は新宿プーク人形劇場で、午後2時から開演だ。冬のように寒いのか、春のように暖かいのか分からないからベランダに出る。その外の空気は今まで通りで、何一つおかしなところはないのに、やはり影が差している。平静は装わなければならないものだと知る。簡単に、おかしくなってしまうのだから。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません