昼間には、お友達とお茶をすることになっていた。ボンクラな僕は、日程がタイトなことを考慮すれば、昨日の夜に書いておくべきだったブログを、珍しく朝にちゃんと起きて、必死の思いで書いていた。
書けた。書けたのだが、なんだか締まらない気も、物足りない気もして、記事の最後に曲を貼るいつもの手法を使うことに決めたが、肝心の曲が決まらない。正しくないことだ、記事の着地点にするためだけに、音楽を利用するのは。正しくなさをそのままに、手当たり次第好きなバンドの曲を聞いて、「まあこれでいいや」と思えた時には、それに乗れば遅刻にならないという電車の出発まで、20分を切っていた。
髪がベタベタだったから、シャワーは浴びなければならなかった。やはり髪は、乾き切らなかった。もう時間だ、僕は走った。駅、そうだ、今日は向こうのホームの電車に乗らなければならない!
急いで階段を登った。心臓が跳ねた。息が上がって、エレベーターで降りた。電車、まだ来てなかったから。少し安心したが、それでも心臓は鼓動を続けて、電車が目的地に着く頃には、額に汗が滲んでいた。
駅で落ち合って、ファミレスに入った。朝に僕は、ブログに書くことを考えながら、冷凍のチャーハンを食べていたので、人生で初めてパンケーキを頼んで、ナイフとフォークを使って食べるのにてこずっていた。デニーズのパンケーキは、添えられたアイスがとにかく甘くて、パンケーキは、幼少期に食べたホットケーキの味を思い出させた。僕が幸せだった頃。母がホットケーキを焼いてくれなくなり、僕が食べたいと思わなくなった辺りで、白くぼやけていた世界の向こうに残酷な不幸があることを知った。それが僕の、パンケーキを食べた印象だ。そして、もう二度とパンケーキを頼むことはないだろうと思った。
創作活動をすることについて話していて、なぜするのか、なぜネットに上げるのか、どうなりたいのかと、どんどん深堀をしたことで、なぜ自分がブログを続けているのかという疑問が立ち上がり、答えに窮してしまう。始める前は、始めてさえしまえば、たちまちたくさん読まれるようになって、次々とリツイートされて、フォロアーがバンバン増えて…という未来を予想していた。今になって思えば、それがあり得ないってことぐらい、分かりそうなものだが。あり得ないって諦めている僕に、ブログを続けさせている第一は惰性の力で、第二は、やめたら二度と復活しないのではないかという恐れだ。あの頃のように、誰かに言葉が届くかもしれないって、真剣に思えるようになるだろうか。ならないならばやはりそれは、続けてきたから続けていくという反復の中に、沈むことになるだろう。
Babyshambles – Fuck Forever
※ちなみに、これが一旦候補に挙がって、結局貼らなかった曲のなかで、最も有力だったものだ。They’ll never played this on the radio!