ブログ「いらけれ」

麻雀ってさ、適度に運の要素があって、イカサマのやりようがあって、賭博に向いていた、ちょうど良かったんだろうな、とは思う。もちろん、こびりついている悪いイメージを払しょくしたいと、業界の人が思うのは当然だと思うけれど、麻雀が人々を引付けている魅力のなかに、そのダーティーな歴史が一役買っているのも間違いないことなわけで。単純に、キレイにすればいいって話でもないのかもなーと思う。

夜中に、よく知らないドキュメンタリー映画を見ていた。日本映画専門チャンネルでやっているような。別に、何か面白い、ドラマチックな何かが起こるわけではなく、そういうものを期待しているわけでもない。それに、制作者側の主張にだって、ほとんどの場合、興味がない。
僕には頭がある。これは、頭が良いということではない。頭があるから、頭を使ってしまう。頭を使って、ものを書いてしまう。僕がドキュメンタリーを見るのは、見るのが好きなのは、僕の頭からは出てこない言葉や瞬間が、そこにあるからだ。前述のドキュメンタリーにも、ある流れがあって、「しっくりこない」という一言があって、それは、自分の頭のどこを絞っても書けないようなシーンだったから、見てよかったと思った。
創作能力がどうしようもないから僕は、僕が書くこれは、実際に起きていないことが、元になっていない文章は、一つもない。架空だって嘘だってあるが、それにしたって、イメージの起源になるような出来事があって、それは昨日の夜、キーボードのエンターの隣の辺りのキーに、半透明の粘液が付着していた、鼻水も何も出ていなかったので、それが何かまったく分からなかった、というようなことだ。これだって、言葉を追うだけでは本当かどうか分からないが、本当でなければ、僕にはこんなことは書けないのだし。

昨日は家から出なかったが、今日は、アンケート回答のためのサンプル品をもらいに、品川まで行った。品川駅は大きい。長い通路には、たくさんのデジタルサイネージが掲げてあって、それがすべて同じ映像だから、合わせ鏡を覗いたときのように、たくさんの綾瀬はるかの顔が並んでいた。もし、自分がタレントになって、数多の自分があそこに表示されていたとしたら、居心地の悪い思いをするだろう。ギリギリだったので焦ったが、早歩きをしたら15分前には会場に着いた。サンプル品の受け渡しはつつがなく終わった。帰りの電車に乗る。僕は、だいぶ電車が苦手になったようで、その時間を苦痛に感じていた。サンプル品を家に置いて、少しだけ歩くことにする。とても寒い、寒波を肌で感じる街を散歩したら、体に活が入ったような気がした。力は内側から湧くのだ、与えられるものではない。


Simon & Garfunkel – The 59th Street Bridge Song (Audio)

なんか知らないけど、歩いているときに頭に浮かんだのがこの歌だった。

Slow down, you move too fast