【N】への旅-2

ブログ「いらけれ」

嘘ばかり書いていると、嫌われるって知っている。だから、そろそろ本当のことを話そうと思う。

手元に残っているメールによれば、11月11日、月曜日の午前2時に最初の長文を送っている。それは、「なんでも箱」にもらったコメントへの返事だった。僕と、相手のN氏は、知らない仲ではなかったけれど、顔を合わせたのは一度きりだったし、はっきり言って、もう二度と会わないと思っていた。もちろん、その時の印象が悪かったとか、苦手なタイプだったとか、そういことでは決してない。ただ、これまでの人生がそうだったから、そうだと思っただけだ。

気の合う人と出会えたとして、その誰かと友人になれる確率は、計算したくないほどに低い(こうした言葉の外に、だから今、孤独でしょうがないあなたは普通で、何も問題はないのだ、という思いを込めている)。その偶然は神の導きではないから、何かしらのイベントや用事で初対面、きっかけも時間の余裕もないから、そのまま別れて忘れ得ぬ人となりがちである。

なぜか、たわい無い日記を書いて、公開している変わり者である。そんな僕でも、「あの時の私です」的な連絡をもらうことがある(こうした言葉の内には、だからあなたも日記を書いてみてはいかが、という提案が含まれている)。

みんな多分、「本当はもうちょっと話したかったなあ」とか思っているんだ、きっと。自信ないけど。でも、いきなり連絡先を聞くのもあれだし的な何かで帰って、その後に検索して、声をかけてくれたのだろう、きっと。マジで自信ないけど。

実際のところ、凡夫にも届かような僕に、連絡を寄こす人というのも、相当な変わり者である。本来は警戒すべきなのかもしれないが、でもまあ、変わった形の石だけが埋められる石垣の隙間だってあるのだろうと思って、いきなり「会いませんか」と書いた。そうして始まったやり取りが積み重なって、さまざまな予定が決まっていった。

例えば、頭痛派というグループをやっているんですねに、今はあってないようなものですけど、本当はサイトの執筆者を増やしたいとか、動画配信してみたいとか、いつかは同人誌を出してみたいと思っているんですよと答えて、同人誌良いですねとなったから、文学フリマに行ってみることにした、なんてドラマが、裏側で進行していたのだ。

こうして僕は、手に入れたばかりの同人誌と文学フリマのカタログ、着替えなどをリュックに詰め込んだ。出発は、12月3日の朝だった。どうしようもなく暇で、旅をしたいと思っていた僕が新幹線に乗って、彼の住む地まで行くことにした。その目的地は、長野だ。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤