3月16日の思い出

ブログ「いらけれ」

3月16日の多くの時間は、「熊谷って遠いなあ」と思っていた。電車に30分、乗り換えで5分歩いて、また電車に20分、そこからバスで30分。一時間半もの道のりの間で僕は、「3月12日の思い出」を書いていたので、あっという間だったし、集中できたので、むしろありがたいと思ったほどだ。

ただし、それはすべてが上手く行っていた場合の話だ。川越市駅で僕は、まず10分ぐらい待った。電車が遅れていたのだ。電車が来て、乗って、霞ヶ関駅を通りすぎるとき、僕は「あ、この路線乗ったことある」って思い出した。霞ヶ関駅の近くには東京国際大学があって、オープンキャンパスに来たのだ、彼女と二人で。その後、彼女はあの大学に通うようになったはずだ。毎日、この路線を使っていたのだろうか。うっわ、甘酸っぱい記憶を全部思い出したけど、その話は、また今度にしよう。

バスの始発の東松山駅で、僕は驚愕していた。電車が遅れて、予定のバスには乗り遅れていたが、まあ、一本ぐらい逃しても、という甘い考えを、埼玉県は許してくれなかった。休日の昼間なのに、次のバスが来るのは20分以上先だった。少し早く目的地に着いて、そこで昼飯を食べる計画だったのだが、どうやら、そういうわけにはいかなそうだ。そしてまた、この空き時間はあまりにも中途半端な短さで、ここでご飯を食べるというわけにもいかず、いろいろ迷った挙句、駅ビルまで戻って、コンビニでグミだけ買った。

バス、長かったなあ(この言葉は、とても実感がこもったとして読んで欲しい)。途中、完全な田舎の景色になって不安だったが、熊谷に近づくと、都市が現れて安心した。

目的地だった八木橋百貨店は、とても素敵な建物だった。こんなに洒落た百貨店の8階に、イベントスペースまであるなんて、僕はこの近くで少年時代を過ごしたかったぜ。7階のレストラン街まで、一応上がってみたものの、これ店入ったら、注文して待ってる間に、始まっちゃうよなあ、などとウロウロしていたら、普通にクロヤギの二人がエスカレーターを上がっていくところを見かけて、めちゃくちゃビックリする。「ああ、クロヤギだあ……!熱文字の出演回、いつも面白いです……!」と静かに興奮しながらも、声を掛けることはできなかった。地下まで下りて、少しお高いサンドイッチを買い、そこの休憩スペースで食べた。美味しかった。

「318 熱量と文字数 【天下一ブヒ部会2019】」
このように、「熱量と文字数 感謝祭」の様子は、順次、音声配信されると思うので、詳しいことは書かないが、ハッキリ言ってしまえば、僕は投稿が読まれたわけだ(自慢)。ネタは、そのまま読まれたわけではなく、余計な小ネタが削られるなど、添削された部分があり、とても勉強になるなあと思ったとか、そんなことより!自分の書いた文章を、声優の方々に読んでいただく気持ち!そして、大勢の人と一緒に、その場にいる気持ち!「読まれるかなあ、あはは」なんて、イベント前は軽く考えていたのですが、実際に読まれたときは、ドキドキして死ぬかと思いました。でも、ああやってネタに声を付けてもらう経験も、それをたくさんの人の前で発表してもらう経験も(それが、ちょっぴりウケる経験も)、たぶん、人生で二度出来ないことなので、死にそうになりながら、ああ、生きていてよかったなって思いました。

一番初めに「ブヒ部会」があったわけだが、その後も硬軟織り交ざった企画のオンパレード4時間で、いやマジで自分が読まれたからじゃなくて、「神イベントだぁ!」と思いながら、ずっとそこに座っていた。面白くない時間帯がなかった。楽しすぎた帰り道は、いつものように頭が痛くなって、吐きそうになりながらバスと電車を乗り継いで、何とか家に辿り着いた。布団に寝転がって天井を見た僕は、「僕の人生はバラ色に変わった-っ!!」という歌詞が、心の底から理解できていた。


「永遠なるもの」中村一義

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Posted by 後藤