りきがく

ブログ「いらけれ」

最近気づいたことがあって、それは、大半の人の人生が、自分に才能がないと分かってからの方が長いということで、それは僕もそうで、だから泣きながら生きているのだ今は。ずっと考えていたのは『熱量と文字数』のイベント用のネタで、もうすぐ締切だっていうのに一つのシチュエーションも思いつかなくて、深い絶望の底にいた。生まれ持った才能って本当に大事。時間は過ぎて、予定が迫ってきたからしょうがなく外に出た。電車でも考えていたが、それでも何も出てこなかった。花粉症の薬を飲み忘れてきたことを、痒くなった目に気づかされる。いつもの春だった。

予定というのは、ある映画の試写会だった。抽選であたった。言えないことばかりだが、原作者が知っている人だったので楽しみだった。銀座へ行った、会場が駅から遠くて、余裕を見て出たのに、結構ギリギリになってしまった。昼飯を食べるつもりだった。他に入る店もなかったから、はなまるうどんに入った。はなまるうどんのとり天はおいしい。冷たい明太おろししょうゆにも合う。でも、やっぱり知らない店には入りたかった。あと何度ご飯が食べられるのか分からないのだから、初めてのものを食べたいと思っていても、小心が勝つ。

滑り込んだ試写会で、映画のあまりのつまらなさにショックを受ける。金を返せとは、お金を払ってないから思わないけれど、時間を返せとは思った。途中で、周りの人たちに「めっちゃつまんないですよね?」と尋ねて回りたいと思った。隣の人は、いびきかいて寝ていた。僕は、つまらなさのせいで「怒髪天を衝く」という感じで、スクリーンから目が離せなかった。同じく試写で見た『テラフォーマーズ』を思い出した。なんでこういう映画が、大層な予算で作られちゃったんだろうなーと、映画界について思いを巡らせていた。何を見たかは一つも言えないが、それが公開された際には、不満点を語りまくりたいと思ったが、公開されるころには記憶から消しているだろうから、語れなくなっているだろう。終映後アンケートの回答を済ませて、ふと見たら、前席の男の人が「非常に面白かった」にチェックをしていて、「人間の感性!その幅広さ!」と思った。

怒りで興奮していたら、どんどんアイディアが湧いてきて筆が進んだため、メトロに乗っている数分の間にネタが書けた。面白いかどうかは、それは人の感性は幅広いから、僕にはなんとも言えないけれど。一つ間違いないのは、つまらない映画だって役に立つのだということ。それが、僕の脳内に脳内物質を出し、力を引き出してくれるのだから。


「ギルティーは罪な奴」髭

逃げられない
焦ると追いつけない
逃げても逃げ切れない
今トドメをちょうだい

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤