強くなると細かくなる論
ソフト発売から結構時間がたったからなのか、ウイニングイレブン2019の一部のモードが無料でプレイできる「Lite」という太っ腹なコンテンツの配信がスタートしていたから、喜び勇んでダウンロードして、落とすまでの長い待ち時間に遊べるエキシビションマッチを、少しだけ触る。少しといっても三試合ぐらいはやった。
いつも、ウイニングイレブンの新しいタイトルを遊ぶと、それまでの選手の動きや、画面の雰囲気に慣れさせられているから、かなり違和感を覚えることになる。プレイする上で、特に影響が大きいのが操作感で、タイトルごとにパスやドリブル、相手選手の動きも、相当違うように感じるから、攻めるにも守るにも、上手くこなせるようになるまで時間がかかる。さきほど話題にしたエキシビションマッチを例に出せば、分かりやすいと思うのだが、初戦は80分にやっと先制して1-0で勝ち、二戦目は2-0で勝ち、三戦目になると感覚を掴みだして4-0で勝てた。
傍から見ている人にしてみれば、テレビに映し出されているそれは、それまでのものと大して変わらないのかもしれない。しかし、プレイヤーには確実に違和感があり、このように小さな違いに違和感を持てるということが、そのゲームに習熟していることの証拠なのだろうと思う。
例えば将棋には、「金銀逆形」という言葉がある。これは、王様の守りや囲い、自陣への配置が、文字通り「逆」ということなのだが、逆もなにも、別に王様の守り方や自陣への駒の組み方に、これといった決まりがあるわけではない。しかし、経験を積み重ねた先人たちによって、導き出された原則というものがあり、例外はあれど、だいたいこのような陣形を組むべきだというセオリーが存在している。攻められにくさや隙の少なさという面において、確かに基本とされている形は優れていて、セオリーを無視し、基本形の金と銀が逆になった陣形を組んでしまうと、劣勢に陥りやすいのだ。この「逆」の感覚は、将棋を知らない人や初心者には分からないもので、対局や勉強を重ねていく内に、いつの間にか違和感を覚えるようになっていくのである。
なにが言いたかったのか忘れてしまったというか、そもそも、なにかが言いたかったわけではない。私のことを、私が分析するにおそらく、どんなゲームであれ、一つゲームに精通するということは、無限に細かくなっていくことだ、ということだろうか。だろうか?ともかく、そんなことを、今日は考えた。
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