空に空を投げ込む
テレビの報道番組を見ていたら、最近逮捕された人が、過去にゲスト出演していた映像を流しながら、「時代の寵児として、メディアからもてはやされていた……」とか言っていて、もてはやしてたのお前じゃん!って強くつっこんだ。そして、こういう時宜にかなった変わり身の早さこそ、今の時代らしいとも思うし、ハッキリとクソだと思った。責任から逃れたい人ばかりだ。
ブックカフェで紹介する本を悩んでいて、そもそも今年買った本がない……という大問題もありつつ、今年読んだ本ならば『わたしがいなかった街で』はどうだろうか、と考えていた。思い返してみれば、あの小説を折に触れて言及した年だったわけだし、戦争のリアリティが縦(時間)と横(距離)の隔たりで分からなくなるということや、インターネット、ビデオ、写真、電話、小説というメディアの話でもあったわけで、これを持ち前のトークスキルと批評スキル(もちろん冗談ですよ)で料理して、話すのも面白いかなって。
この後に続いている文章が、どういうものなのか、よく読んでいる方ならば分かるはずだ。「選考結果につきまして、今回は残念ながら……」と書いてあるメールに対して、「受かっても入らねぇよバーカ」と返信しなかった僕を褒めてほしい。それでまた、新たな会社に応募しようとしている僕は、ここにいてはいけないことは分かっていても、どこに行けばいいのか分からないのであった。
「いままでの人生で最大の後悔」について、こうして考えてみて初めて、私がいままでの人生に対して、基本的に後悔を抱いていないことに気づきました。それはおそらく、TBSラジオで放送されている『文化系トークラジオLife』という番組の「ぼくたちの失敗学」という回を聞き、考えが変わったからではないかと思います。
後悔とは、くだけた表現をすれば「クヨクヨする」ということだと思いますが、以前は私も、クヨクヨしてばかりの人間でした。しかし、番組内の話を聞いて、過去の失敗をいくら考えても、タイムマシンはないのだからやり直すことはできないし、その経験を振り返り、反省することは大事だとしても、そのことに囚われてはいけないと考えるようになりました。それに、この人生を選んで、今生きているだけでも御の字で、違う人生を選んでいたら、事故に逢って死んでしまったかもしれないのですから。
なので、私の人生に後悔はありません(反省点は無限にありますが)。
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