あえて言う主義

ブログ「いらけれ」

誰かの中に確かにあって、どうやっても、何があっても言わなければいけなかったはずの、発話の前にあらかじめ間引かれた言葉。日の目を見ることがなかった。きっとそういうことで、自分の中から大事なものを失って、失ったことも忘れて、知らぬ間に人でなしになっていく。それで年を取って、そのまま忘れて、死ぬ間際に思い出すこともなかった。

プロレスに追われる夢を見るほどに、見なければならないプロレスがたまっている。WWEの通常放送の2番組に加えて、NXTもあるのはこれまで通りだが、メイ・ヤング・クラシックもあるし、ミックスド・マッチ・チャレンジもあるわけで、普通に働いている人はどうやって見ているのだろうという感じだ。
眠い目こすって見ていたが、睡魔に負けて眠ってしまって、起きたら寒かった。寒さで起きたのは、いつ以来だろう。本当に冬が近づいているんだなあ。
とか、悠長なことを言っていられないのだ、僕は。やらなければならないことを、って思いながら、将棋ウォーズで将棋指しちゃう。そうそう、最近スーパープレミアムプランというやつに指導対局が導入されて、なんでも、条件が揃えばネット上でプロと対局できて、指導が受けられるそうだ。へー、と思った。

初めてネットから図書館で借りた本の返却期限の延長をした今日も、小平霊園に歩きに行った。空が灰色だった。墓誌と書かれた黒いものの上に、こともなげに立つ巨大なカラスの口には、お供えものだったはずの、白い落雁のようなものがくわえられている。くわえながらカラスは、その大きさを誇るようで恐ろしかった。イヤホンから、いつか聞いた歌が流れた。倒されている木には張り紙がくっついていて、外来種だから伐採作業をしているのだそうだ。僕が生まれてからずっと、そんなことのために切り倒されることもなく、そこに生えていた木が。

結局、革命的なことを言うというか、私の作った新しいビジネスモデルで、それで新しい時代が来るのだ的なことを言う人の、大体の商売が、内容の無いものを売るっていうのはどういうことなんだい?価値のないものをあえて作って、それを手に入れることが良いことなんだという雰囲気を作って、信者がまんまと盛り上げて、それで本当に話題になって、既成事実になっていく。
価値のないものを売る、っていうのはさ、制作のコスト、手間もお金もかからないし、資本主義的には最高なんだろうけど、つまるところ詐欺じゃん?しっかりしろよ、みんな!って気持ちだよ。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤