無力

ブログ「いらけれ」

「2018/08/23 今日のボイスメモ」
はいはい、注目注目~。私のやっているポッドキャストが更新されてますよ~。
今回は、途中で人の姿が見えたり、声が聞こえたりして、ビクビクしながらとってます(ビクビクしているところはカットされていますが)。
映画についてなど、ペラペラしゃべっていますが、内容がそれまで考えていなかったようなことで、その場の思いつきでしゃべっているところもあって、しゃべる自分にビックリしました。コンシャスなつもりでも、自分って結構未知だよね。
面白いかどうかは、聞いて、あなたが判断してください。面白くなくても、絶対に聞いてください。お兄さんとの約束だぞ!

世界の実相は分からない。研究をすることは本来的に冒険だ。丁寧に探っていけば、新しい世界が到来する。
一行先が分からない。文字を追うことは本来的に冒険だ。丁寧に辿っていけば、新しい世界が到来する。
分け入る意思がない者には、しかし、これらの豊かさは理解できない。
以上のことが『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』を読んで分かったこと。つまり、「蒸気船ウィリー」を理解するためには、蒸気船とは何かから始めないといけないというような。

世界が、力の横溢、暴力の反乱の時代を迎えていることは、誰の目にも明らか。それは僕にも分かっていた、でもその理由は分かっていなかったのだけれど、僕たちが合意を諦めたことが一つの要因ではないか、と思い始めている。
異なる出自の、立場の、能力の……とにかく自分と違う人と話し合って、説得して合意することの困難さが、はっきりと見えてしまったインターネット以降では、僕たちはそれを諦めている。そうなれば、意見の違う人を説得できないのであればどうするか、力で付き従わせることになるだろう。企業にはクレームを、馬鹿には炎上を(国民には法律を!)といった具合に、相互理解なんて目指さず、脅して屈服させようというわけだ。
今は何についても、僕たちの連帯の理由は、力を持って誰かを脅すこと以外にはないように見えるし、おそらくそうなのだろう。この時代に、何か有効なことを言おうとするならば、つまり僕は、愛と理想の連帯と革命は可能か?ということをテーマにするべきだ、ってわけだね。

本屋に入って、狭い店内ですれ違うおじさんの、その背中に付いた見たことのない小さな赤茶色の虫を見て、数週間前の、駅で前を歩くおばさんのトートバッグの中に飛び込んだ小さな蛾を思い出した。赤茶色の虫は落ちたし、蛾は飛び立った。だから、彼らの関係を知っているのは僕だけだ。

ここ数週間は濃すぎて、書くことはあるけれど時間がないという感じだ。改めて、働きながらいろいろな本を読んだり、映画を見たりしている人を尊敬する毎日で、そういう人は超人なんじゃないのって、そう思う。僕は眠らないとダメな体質なので、そこは削れないから、まあ、少ししかない手元にある時間を、精一杯楽しくすごしていくしかないのだろうな。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤