知っているならば愛

ブログ「いらけれ」

文化系トークラジオLifeの過去回を聞いているんです、ええ。そんで、今色々あるじゃないですか。だから「日常と愛国心の間で」を聞いて、すごい面白かった。
2002年のワールドカップ、祝祭化する渋谷で歌われた君が代。そこで、初めて声を上げて君が代を歌うチャーリー。君が代の歌詞を知らない話。フェスで君が代を歌うサンボマスター。ピリッとした空気。
僕らの世代(もちろん世代で括れない部分は多い)では、君が代を大声で歌うことに違和感なんて(おそらく)なくなっていて、野球場で試合前に流れてたら、とりあえず起立するだろうし。自分の生きる世界のリアリティは、(それ自体の評価はしないが)ある価値観が解体されてきた上に、ある価値観を作り上げたものだ、ということは知っておいた方がいい。
あと、「愛国心」という言葉の内実も大分変わってきたのだなあ、とも思った。今の愛国って、政権への支持(勝ち馬に乗る)と繋がっている気がする。驚くべきことだ、10年ちょっとで社会はかなり変わってしまう。

あと、何を歌うのも自由だが、売れているアーティストのみなさんに言いたい。「愛すべき生まれて育ってくサークル 君や僕をつないでる緩やかな止まらない法則」は、小沢健二『天使たちのシーン』の歌詞だが、せめてここまでひねくれてほしい。バカみたいな歌詞を書かずに、「そもそも愛とは」とか、「愛という言葉を歌うことの意味」とかから考えて、言葉にしてほしい。
追記:TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」「RADWIMPS、ゆず、椎名林檎・・・J-POPにも登場!?『愛国ソング』~その傾向と対策」
荻上チキさんの評論家的な側面がすごく見える特集なわけだが、批評とか文芸評論とは正しくこういうもので、とにかく、この対象との距離感が必要だと思う。AかBかではなく、AにもなりBにもなるその可能性を指摘すること。ずるずるべったりな時代だからこそ、批評の重要性がいや増していくのだろうか、などと思った。

サッカースペイン代表監督の解任について。サッカー周りの組織っていうのは、どの国の、どの機関もだいたいヤバイことを忘れていたなって(もちろん協会だけでなくクラブもヤバい)。僕もそれなりにサッカーに詳しいつもりだったけど、失念してたなあ。ヤバイのは、日本サッカー協会だけじゃなかった、そういえば!とにかく、この問題についての木村浩嗣さんの文章が読みたいので、誰か依頼しましょう。(これを書いている6/13時点では、木村さんはまだ書いていない。)(そして6/15にはもう記事が出た。「“ロペテギ・ショック”の舞台裏。癒着vsモラル、正しいのは何か?」クラブの思惑、監督の思惑、そして、ダーティーな面のあった前会長を追いやった新会長の思惑などを勘案して書かれていて非常に面白い(もちろんW杯スペイン代表への予測もある)。これが読みたかったんだ。掲載ありがとう、フットボリスタ!)

縮めるタイプと膨らませるタイプがいるなら、僕は縮めるタイプ(身体は膨らんでるけどな!)で、どうしてもテキストが短くなって、文字数が少なくなってしまう。書く対象への熱い思いや、愛情がないわけではない。むしろメチャクチャある。ただ、やっぱりカットカットしていく方が性に合ってる。編集者タイプなのかもしれない。
僕は、よく文章を書き直す。書き直すのが好きだから。で、書き直すと文字数が少なくなってる。これからはそうじゃない書き方を目指していく。余計な記述なんてないのだから、書きたいことが起きたその日の太陽も、そこに吹いていた風も、そこで聞こえた鳴き声も書いていくこと。僕はそうする。あなたはどう?

スマートフォンって便利ー。イヤホンジャックから流れてくる「深夜の馬鹿力」を聞きながら、ここがどこなのか地図で調べられるもんねー。と、工場の塀の間の、よく知らない広い一本道を歩きながら、グーグルマップを見て、そして、どちらに行ったらいいかを調べていた。「二宮金次郎は、現代の歩きスマホだ」って、それで何かを言った気になっている人には、江戸時代に自動車無いしって言おう。おかしいのは、イヤホンをしているが足音が聞こえることで、周りには誰もいなかったはずなのに。視線を上げると、ピンクのナース服の女が前を歩いている。前述の通り、この道は一本道で、そして塀に囲まれているから、目線をスマホに落とす前に居なかったのだから、そこに人が居るはずがない。ぞくぞくする。夏は怪談の季節で、夏はかなり近づいている。スマホに通知がある。二日後に面接に来てくださいというメールが来る。あまりの日の近さにビックリする。

「衣食足りても礼節を知らない 反緊縮運動とナショナリズム」
綿野恵太さんの書く「論潮」がwebで公開されていて、これを読むのが毎月の楽しみになっている。連載開始時に、千葉雅也さんがツイートで紹介してて、それからずっと読んでる、毎月。
毎月難しいわけだけど、難しいというのは論理が入り組んでいて複雑だから難しいというわけではない、むしろそちらは分かりやすいくらいだ、しかし、僕が政治とか社会とかに無知すぎるので、固有名や専門用語に慣れていない(実際、色々ググりながら読んでいる)から難しいと感じるだけだ。めげずに、”石にかじりつく”ように読めば、僕でも分かる。そういう態度の重要性を痛感する。ガッツで勉強していきたい。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤