地獄よりも終わっている
ゴールデンウィークのせいで仕事が溜まっていた。少しずつ片付けても、片付けたそばから別の仕事が振ってきて、終わりそうにない。朝から晩まで、大げさではなく休みなく働いていた。疲れた。
ファミマの「ガトーショコラ風チョコ」で命をつないでいた。おいしいものを食べると元気になる。これとプロテインドリンクで三大栄養素を補給しながら、ずっと働いていた。疲れた。
かかってきた電話の対応をしながら、別の案件のデータをエクセルに打ち込んでいる。まともな人間のフリをして、ペラペラ話している私を滑稽だと思う。自分ではないみたいだ。
パソコンの画面を見て、一日が終わっていった。私は何がしたかったのか。何をしたくなかったのか。そもそもしたいことなんてあったか?考える余裕も気力もないまま流されていく。
東京ドームから大勢の人が出てくる。皆が電車に乗り込む。ユニフォームの人がいないから野球ではなく、グッズを身に着けた人がいないからアイドルのライブでもなく、若者は少なく、皆が普通の格好をしているから、ツイッターで検索したらミスチルのライブだった。「国民的」というのは、こういうことなのか。特徴のなさが、なんだか好ましかった。
各々が各々で生きて、各々で死ぬ。自分もその内の一人。親が死んでからというもの、死を身近に感じるようになった。死ぬまでにできることをしたい。今すぐできることだってあるのに、面倒に思ったり勇気が出なかったりして、諦めたりしない。そういうのはもうやめる。
編集者になりたかった、というわけでなかったが、なったものはなったし、もう少しこの仕事を続けるつもりでいる。この世は地獄よりも終わっている場所だ、だからこそやれることをやったらいい。間違いないよ。
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