2022.4.30

ブログ「いらけれ」

小説の登場人物ががんになり、私は「身体に力が入らない」という震える声を思い出した。私は、その言葉になりきらない声を聞いた瞬間に理解していた。世界は悪い列車で、頼んでもいないのに発車して、それぞれの苦しみに向かって進み続けているということを

仕事が終わって、スーパーの惣菜コーナーで、全部の弁当の中身が土か粘土みたいに見えて、とても困った。食べることを拒否したかった。唐揚げ弁当を買って食べた。暴力を振るっているような、あるいは振るわれているような気分になっていた。

生活が苦しく、人生が苦しく、いずれ訪れる死が苦しいのなら?それでも生きる理由もないのなら、わざわざ生きる意味もないのだから、いつまで生きていられるのだろう。

去った昨日より生き抜く今日よりもマシな明日が、どこにあるのか、私にはまだ分からないでいる。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤