contrived
「こいつ、自分からは全然動かないな」って、痛いほど分かっているはずの僕は、背中を押されたときは、押された方へ動いたほうが良い。知らない人や、知らない場所や、経験のないことには、ドキドキしてしまうけれど。あと、出会いを大事にしなければならない。「隙あらば」という意気込みで、連絡先交換を積極的に狙っていこう。自分らしくない自分が、自分の理想なのだから。
「最近だと、だいたいMリーグ見ながら、コーヒー飲んでるか、ウイスキー飲んでるか、だねえ。ナッツとかチョコとか、一緒に食べながら。でもなくなっちゃって、そうそう、ネットで1kgのミックスナッツを、割引とかポイントを使って注文した、昨日。なんか、言い訳みたいに『注文が殺到しておりまして、配送のはお時間が~』とか、先手打って書いてあったから、いつ届くか分かんないけど。Mリーグが面白くってさあ、麻雀のプロリーグで、チーム戦なんだけど、でも、まだどのチームを応援するか決めてないんだよね。あ、そういやMリーグで面白い場面があって……」みてえな話を、旧友に会ってしたいような、そもそも別に会いたくないような。
退屈だったので外に出た。駐車場から現れた猫は、一瞬スマホに目を落としたら、胸ぐらいの高さのフェンスに登っている。パチンコ店だった土地は、重機によって掘り返されて、深い穴の隣にはコンクリートの瓦礫が積まれている。コイン精米所が撤去されている。前の道が茶色で、顔を近づけると、無数の米である。一年以上前に工事されてから一度も開店することなく、放置されていたコインランドリーに、ついにオープン日が貼ってある。2月8日は、私の誕生日の翌日である。
どうにも辛いなと、体調が優れないなと感じながら、さらに、車窓からの景色を眺める電車のなかで、うっすら目がかゆいなと思っていたが、見て見ぬ振りをしていたのだが、ツイッターのタイムライン上で、花粉症仲間の方々が、同様の症状を報告しながら、花粉についての呪詛、あるいはヘイトスピーチをつぶやき始めたので、ああやっぱり花粉だったのかと、とても暗い気持ちになる。正直、ゴールデンウィークとか、正月とか、夏とか冬とかより、花粉症期の方がよっぽど生活の中心にあって、しかし、その時期のことは辛すぎて、ほとんど覚えていないという悲しみ。花粉ゼロでもいいし、新たな治療法でもいいので、ぜひ誰かになんとかしていただきたい。ずるっ(鼻水をすする音)。さて、ここで一曲、聞いていただきましょう。毛玉で「花粉症」。
毛玉 – 花粉症 from 1st album “新しい生活"
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