Intricacy

ブログ「いらけれ」

批評はギリギリの嘘を通すテキサスホールデムみたいなゲームなんじゃないの

最近のブログの記述が錯綜しているのは知っている。それが狙いなのか天然なのか、自分でもよく分からない。おかしなことは”現実”にあり、それを言葉にし、記述するためにはおかしく書かなければならない。国会答弁のような現実を写すように書きたい。

高橋源一郎氏は(今は考えが変わったが)、二十代の終わりの何も書けないときに「吉田健一が取り憑いた」「吉田健一っぽくなら書けるかなと思ったら書けた」「吉田健一の文体で、吉田健一が書くようなことを書いていた」「(生きるとは、文明とは、時間とはなど、自分の境遇とかけ離れた、考えてもいないことが)ビックリしたのはいくらでも書ける、何も考えてなくても、考えてないことを書ける。文体すげえ」「(その後、小説を書き始めたとき)それがいい訓練になった、文体をつくってしまえば、全部嘘でもいいんだ」「言いたいこととか、書きたいテーマが何にも無くても大丈夫」「だから、文体を持っている奴は全員信用できないなと。どうせこいつ言うことがないんだろうと」という考え方を一度通過し、文体を疑うようになったと語っている。出典:「高橋 源一郎(作家)×五所 純子(文筆家)「世界」は「小説」でできている!?――いま「日本」を語る「ことば」についてのおはなし」16分頃から

記述が錯綜しているといえば、「【コラム】Childish Gambino – “This Is America" | アメリカからは逃げられない」の「ただこのビデオは銃による暴力など~」というところも、記述が錯綜していると思った。別に批判じゃない、グルーブ感が生まれている気もするし、いい記事だと思うし。批判じゃないといえば、「This Is America」の評価が自分の中で定まらない。最初の一発(途中の二発目)があるからだ。もちろんダンスなど、たくさん美点があるのは承知で、その一発の衝撃に、自分がやられている可能性を否定できないというか。俺は最初のいい一発にやられているだけじゃないのかと、自分を疑ってしまう。

「This Is America」は、話題になってから二日後くらいに見た(だから、見たのは結構前だ)。なんか、それが自分にとって、すごい良かった気がした。誰かの熱に過度に同調するのでもなく、かといって、無視したり否定するのではなく、冷静に見ることが出来た気がした。ツイートは、ツイートした24時間後にやっと表示されるくらいがちょうどいいのではないだろうか。対象との(精神的)距離を導入せよ。

「プロならば批判されて当然だ(だから、何言ってもいいんだ)」という人へ向けて。

「スポーツ選手は“強く”あるべき?メルテザッカーの“独白”への賛否」

彼の告白を「この世界では数少ない、正直な瞬間」と評価した『ターゲスツァイトゥンク』紙は、「メルテザッカーは、プロ選手として感じる重圧と苦悩、失敗することに対する恐れを明かした。その正直さには驚きを禁じ得ない。そしてこのことは、サッカー界がロベルト・エンケの悲劇以降も、根本的にまったく変わっていないことの証左である」と指摘する。

ドイツ代表だったGKは重いうつ病に苦しみ、09年に電車に飛び込んで自ら命を絶った。ドイツサッカー界は戦慄し、当時のDFB会長テオ・ツバンツィガーはエンケの棺の前でこう誓った。

「メディアが伝える、表面をなぞっただけの情報に踊らされるな。人間の内面にまで目を向けよう。サッカーがすべてではない」

しかし、結局何も変わらなかった。

あなたが人であるように、相手も人である。

僕は、心療神経科で今月あったことを聞かれて、余計な色をつけて話してしまう。心理神経症の症状に当てはまるようにエピソードを盛っていく。気分が落ち込んだ話をペラペラと語っていく。話している自分の「躁」状態を、自分が見ている。先月ドクターから「新薬が出るから、次はそれを使いましょう」と言われていた。試しにというニュアンスが強すぎて、自分がモルモットみたいだと思って帰った。だが、新薬は二週間分しか処方できず、四週間に一度通院している僕には使えないことを失念していたらしい。「その代わりに」と言って、寝る前の常用薬を朝にも飲むようにと言われるが、病気の治療ってそういうことなんだろうか……。単純計算で薬が二倍に増えるということだから、お金も二倍になるのだろうと思って、ビクビクしながら調剤薬局のレジに立っていたから、1090円を1900円だと思って2000円出して、薬とたくさんの小銭を手渡された。薬は、もう何か月も前から飲まずにたまっている薬たちの中に仲間入りした。

承前)「では、参考になる振り飛車とはどんなものか?」という問いに、「第11期マイナビ女子オープン五番勝負第3局 加藤桃子女王 対 西山朋佳奨励会三段」は、答えているのではないだろうか(初手7八飛戦法!)。61手目7七歩や、87手目2三歩、良くなってからの手厚い指し回しなど、当然真似など出来るわけはないが、振り飛車らしさを学ぶのには適していると思う。西山三段ぱねぇ(あと決め方がえぐい)。

ブログ「いらけれ」

Posted by 後藤