プロレスの動画(NXT)を見てたら「タッグパートナーが仕掛けた雪崩式フランケンシュタイナーで飛んできた相手を受け止めてパワーボム」という、めちゃくちゃで訳分からんが超凄い技が出た。凄すぎて笑った。パワーボムしてんのがピート・ダンで、受けてんのがタイラー・ベイトだった。この二人は、UK王座をかけてNXTテイクオーバーシカゴで名勝負を繰り広げた、あの二人だ。UKのプロレスの未来は明るいと思う。この二人にトレント・セブンを加えたユニットの名が「ブリティッシュストロングスタイル」っていうのがもうね。やっぱりストロングスタイルって付けたいわけですよ、実際のスタイルは置いておいて。現代、日本を含めた世界のマットの流れをキャッチアップするのは、さぞ楽しかろう(ぼくは、そこまでしないけど)。ついでにいえば、「ブリティッシュストロングスタイルVSジ・エリート」という動画も上がっている。すごく楽しい世界だ。
WWEの二軍的な位置付けでもある(もう”あった”というべきか)NXTのレスリングが今、上質で熱くて面白い。WWEの本放送を凌ぐほどに。良いプロレスを作っていく段階においては、会場の大きすぎないこと(客との近さ)が必須なのではないかと思っている。そして、良い試合をした選手がちゃんと評価されること。上手く行ってないように見える205 Liveと、NXTの差はそういうところなのではないか。もちろん、ガチのプオタが見に来ているのか、そうでない(子どもなどが多い)か、という違いもあろうが。
プオタという人たち、日本にいて(アメリカやイギリスにいて)世界のレスリングを見ている人たち、の作ってきたものの大きさも感じる。いいレスラーを評価し、(ネット上も含めて)盛り上がる人々。その広がりがあったからこそ、他の国でトップだった選手の試合がWWEで見れてるわけだし(もちろん、別にWWEが一番偉い、WWEが最高と思っているわけではないが)。作り手側の意識も変わってきているというか、「金になるぞ」と思われているのだろう。しかし、裏側には「ユーキャントレッスル」問題があることも知っていなければならない。つまらない試合をする奴だ、と一度評価が定まった選手に対する「ユーキャントレッスル」チャントが、目の前の試合内容に関わらずされてしまうこと。
スマホ的時間感覚(と勝手にぼくが思ってる)からくる「たるさ」に対抗するようなテンポの速さ(ハイスパート化?)、スーパーキックの乱打、技の複雑化による組体操感、禁止技が増えていくWWEと危ない技が多用される傾向にある他団体。あるいは、場外カウントのコールに「10」をかぶせる人々や、フォールのツーカウントの後に「スウィート」と叫ぶ(「too sweet」)人々、ヒールに声援が飛び、ベビーにブーイングが飛ぶことが増えてきていること(観客の問題)。
面白いことと、それを阻害しかねないことは繋がっていて、だからこそ今、現象として”も”プロレスが面白い。
SPARTA LOCALS – 『黄金WAVE』