ブログ「いらけれ」

蒸しタオルの話をしよう。電子レンジで作る蒸しタオルにすっかり魅了されてしまった僕だが、同時に悩みも生まれていた。それは、すぐに冷たくなってしまうことだった。冷たくなったタオルはタオルで、腕を拭くとひんやり気持ち良く、夏に丁度良いのだが……僕が求めているのは、それではなかった。
親のすねかじり、小金を持った男が次にすることは、タオルを温め続ける方法を金で買えないか探すことだった。(そんなもん、ないかあ)と思いながら、「タオル スチーマー」でグーグル検索すると、あっさり「タオル蒸し器」が見つかった。あるんだ。
クリックして楽天市場のページを開く。見慣れた機械が、ずらっと並んでいる。それは僕が、接客業のアルバイトに従事していたとき、温かいおしぼりをお客様へと出すために、いつも使っていたものだった。あ、あれ「タオル蒸し器」か。あれ、個人で買えるんだ。
あの機械に、おしぼりを詰めていたこと。熱々のおしぼりを取り出したり、もっと熱々になった、おしぼりを置いておく金属のカゴを取り出したこと。すべてを思い出したけど、その思い出をどうしたらいいのか分からないから、こうして日記に書いた。

最近は、テレビをよく見ている、意味もなく。そんで、NHKのBSで「シリーズ深読み読書会」という番組の再放送をやっていて、『進撃の巨人』が取りあげられてて、新井英樹、高橋源一郎、鹿島茂、鈴木杏という座組で、結構面白かったんだけど、これなら「マンガ夜話」は行けるくない?って思った。でも、出演者のこととかあるし、90年代にだけ咲くことのできた花という感じもするなあと、すぐに思い直した。無理かあ。
そんで、昨日見た「大悟道~これが千鳥の生芝居~」は、めっちゃ面白かった。舞台の外から突っ込むというのは、スタジオでVTRを見ながら、それに突っ込むことで笑いにするっていうのと、そんなに変わらない構造なのかもしれないけど、舞台上ではツッコミの声は聞こえないものとして進行するものの、どうしても影響を受けてしまって、ときどき含み笑いをしてしまうというのが、おかしさの源泉になっている気がした。

勢いよく、蝶がこちらに飛んできたと見え、驚いて顔を動かしたところ、目線の高さの鉄柵から高木まで、長く伸びた蜘蛛の糸に絡まった木の葉が、風に揺れていただけだった。そのこととは関係なしに運命とは、すべてに抗った先で、それでも覆せなかったもののことを言うのだと思った。だからまだ、ここにある敗北は運命ではないのだ。