くだらないことばかりじゃないと分かってるよ

ダイエットをしている。体重は落ちるものの体脂肪率が変わらず、ダイエットと筋トレの関係を調べていた。筋肉をつけるには、タンパク質を摂取することが大事らしい。しかし、タンパク質って言葉はなんか良い。インパク知みたいで。インパク知って知ってる?「ボキャブラ・マトリックス」のエリアね。「ボキャブラ・マトリックス」は、バカと知的、インパクトとシブイという軸で作られてるわけだけど、これかなり有用だよね、ネタの分け方として。そして、何よりマトリックスが良いのは、マトリックスがマトリックスの外(アウトオブマトリックス)を作るからで、マトリックスに入らないものを意識的に作ったら、それすなわち新しいものってなる場合が結構ある。それでこれ、なんの話だ?

菊地成孔氏は、韓国映画『密偵』を評する文章(「菊地成孔の『密偵』評:「日帝時代」を描くエンタメ作が凄い勢いで進化している現在って?」)の中で、歴史教育は近現代史からやるべき説、歴史を教えるのなら現代から遡っていくべきという説に対して、以下のように言っている。

完全な無知という状態から「目の前の、今のこと」を学ぶには、その前提となる近過去の理解が必要であり、それを学ぶには、その前提的な、、、と無限軌道の果てに「やっぱ起源から」という、これまた極めて有効性の低い方法が導き出される可能性が高いのは、ほとんど自明である。

この「物事の前提の説明には新たな前提が必要で、また、その新たな前提にも前提があり……」という状態に、大きなこと(社会や歴史)を語る、その全てが当てはまることに気付いて、それに今まで気付かなかったことにもガッカリし、また、それが引き寄せる困難に思い当たり、頭を悩ませていた昨今。
例えば、あなたが現政権を批判し、社会を分析するとして。あなたはまず、その行いのデタラメさを指摘し、次に、なぜそうなったのか、どうしてこうなったのか、何がそれを用意したのかという”原因”を説明するだろう。あなたは、2010年代前半に何があったから/世界情勢がどうだったから/社会の空気がこうだったから、等々の理由を述べることになる。そこで私がつっこむ。「その原因は?」あなたは、なぜ2010年代前半がそういう時代だったのか、それを説明するために2000年代の話を、それから90年代に、80、70……これでは文明の始まりにまで遡らなければならないではないか!
そう、大きなことを語るのは、かなり無理なのだ。しかし、語ろうとする人はたくさんいて、それを詳しく見てみると、
・本当に起源に近いところから、古代ギリシアとか、旧約聖書とか、古事記とかの話をして、それから間をすっ飛ばして、それらを今とつなげるパターン
・あるポイントを恣意的に設定、1995年とか、アメリカ同時多発テロ事件とか、民主党政権時代とかを原因として今を説明し、そのポイントを用意したもの、その原因については説明しないパターン
のどちらかであることが多い。
時間も紙幅も人間の能力も限られている以上、大きなことを語りたいときに取れる手段も限られており、しょうがないことではある。しかし、どこかに欺瞞があるのもまた間違いないのではないのだろうか。真面目な人は、大きなことを誠実に語ろうとすると、また、そんなことお構いなしに不誠実に語っている人々を見ていると、病んでいくだろうし、実際最近病んだ人もいた。

君がもし、僕のブログをいつも読んでくれているのならば分かっていることだと思うけど、僕は会話が作れない。会話は、自分が言いたいことを書くのでも、君が言いそうなことを書くのでもない。僕たちは、一人で会話できない。会話は、僕が君に言わなければならないことと、君が僕に言わなければならないことだ。だから、自でも他でもなく、その間にあって、自でも他でもあるものが会話だ。そのマジカルなエリアを立ち上げるのは、とても難しい。難しいことが分かったことは進歩で、会話を作ることが課題だ。

以前(だいぶ前のどこか)で、そもそも人間との恋愛は危険(人間はコントロール不可能だから、相手から嫌われたり、相手が死んだりするため)みたいな話をして、それで、キャラクターと恋愛する方が安全で、で、人間ではなくキャラに恋してはダメなのか?何が問題なのか?っていう話をしたと思うんだけど、「I’m a soldier in the world」で書いた絶対安全ジェットコースターって、同じことを考えている。見直してみると。うーん、僕は進歩がないのだろうかと思うと同時に、こだわっていることがあるのだなと思った。「僕らしさ」ってあるんだなって。

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