「ジャンル」

立川談志いわく、落語は「業の肯定」だそうだ。この言葉だけ、ずっと前から知っていた。特殊な文脈の中で。

好きになった落語家が「噺家は良い悪いではない、合う合わないだ」というようなことを言っていた。その言葉に納得している。

古典しかやらない人が多いが、創作(新作)だけ演じる人もいるし、両方やる人もいる。同じ演目でも、演者によって違う表現になる。それは、大きな違いだ。階級やキャリアが違う人を並べるのは失礼だろうが。

たとえば、どこまで落語と呼べるのだろうか。扇子と手ぬぐい以外の物を使ったら。あるいは、落語の文法に沿った形で話された、聞き手に全く落語的ではないと共通して判断されるような話だったら。

成立しているジャンル。何かに乗っている送り手と、それに乗っている受け手。ある見方や評価軸、一つのルール。しかし、創造性や逸脱によって更新されているからこそ、価値がある。

違うものが同じものとして保存されている。とても勝手で、とても面白い。

分からないから書いている、どんなことにもいえることだ。(音楽だって、映画だって、小説だってそうでしょう?)

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